フードアレルギーとは一般的にアレルギーの原因となる食物を体内に摂取することによって起こるアレルギー症状を指しますが、症状の現れるまでの時間によって大きく即時型フードアレルギーと遅延型フードアレルギーの2種類に分類されます。
即時型フードアレルギー:食べた直後から数時間以内に症状が出る
遅延型フードアレルギー:食べた後、数時間から数日かけて症状が出る
私たちが通常フードアレルギーと聞いてイメージするのは即時型フードアレルギーではないでしょうか。即時型フードアレルギーは原因となる食物を摂取してすぐに症状が出るため、自分でも気がつきやすく、すでに日常的に気をつけている方も多いと思います。症状もかゆみやお腹の不調など、分かりやすいのが特徴です。
一方で遅延型フードアレルギーは症状が出るまでに時間がかかるため、何か症状が出たとしても原因となった食物が何だったのか分かりにくい、また症状としても精神的な不調やさまざまな慢性症状など、一見私たちが持っているフードアレルギーのイメージと異なるため気がつきにくいのが特徴です。何気なく感じている体の不調ももしかしたらこの遅延型フードアレルギーが原因かもしれません。
即時型フードアレルギーと遅延型フードアレルギーの違い
より具体的に即時型フードアレルギーと遅延型フードアレルギーの違いを見てみましょう。両者を比較すると以下のようになります。
即時型フードアレルギー | 特徴 | 遅延型フードアレルギー |
皮膚、呼吸器、消化器などに典型的なアレルギー症状(息苦しさ、鼻炎、かゆみ、腫れ、湿疹、吐き気、下痢、等) | 症状 | 体のいかなる部分(細胞、臓器、免疫系、など)が様々な影響を受ける |
摂取直後から 2 時間以内 | 発症時間 | 2 時間から 24 時間以上 |
1 または 2 種類 | 原因食物の数 | 3 から 10 種類(場合によっては 20 種類以上) |
通常摂取されない | 原因食物の摂取 | 大好きな食べ物で、高頻度で大量に摂取されることが多い |
微量 | 発症する摂取量 | 大量および短期間での複数回の摂取 |
主に子供 | 発症年齢 | 子供および大人 |
基本的には改善しない(小児で発症の場合は年齢とともに改善することがある) | アレルギー症状の改善 | 原因食物の摂取を長期間控えることで改善する |
即時型フードアレルギーと遅延型フードアレルギーで違いは様々ですが、以下の 3 つが大きな違いだと思います。
- 症状
- 原因食物の摂取
- アレルギー症状の改善
以下でそれぞれもう少し詳しく見ていきます。
遅延型フードアレルギーの症状
遅延型フードアレルギーの症状は多岐にわたりますが、以下が典型的な症状のようです。
消化器症状 | 消化不良・便秘・下痢・腹痛・吐き気・過敏性腸症候群・腹満感など |
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精神神経症状 | 不安神経症・頭痛・情緒不安定・うつ・頭が重い・集中力不足など |
皮膚症状 | 湿疹・にきび・(アトピー性)皮膚炎・ふけ・じんましん・肌荒れ・多汗など |
呼吸器系 | 鼻水・鼻づまり・慢性副鼻腔炎・ぜんそくなど |
泌尿生殖器系 | 頻尿・尿意切迫・夜尿症(小児)・月経前症候群・おりものなど |
筋骨格系 | 筋肉痛・関節痛・関節炎・関節リウマチなど |
その他 | 不整脈・慢性疲労・倦怠感・口内炎・むくみ・体重増加など |
出典:三番町ごきげんクリニック @ http://www.kenko.org/about_test/food_allergy.html
消化器や呼吸器においては即時型フードアレルギーと同じような症状が見られるようですが、その他にも様々な部位での様々な症状が挙げられています。情緒不安定やうつなどメンタルに影響を与える症状が出ることもあるようです。
遅延型フードアレルギーの原因食物の摂取
一般的にはある食物を大量に、また高頻度で摂取した場合に発症する可能性があるそうです。健康によかれと思って毎日食べている食品や好物でよく食べる食品が、実は遅延型フードアレルギーの原因となっているかもしれません。
遅延型フードアレルギーの症状の改善
遅延型フードアレルギーの症状は原因となっている食物の摂取を 3 ヶ月から半年控えれば改善すると言われています。特定の食品を長期間にわたって摂取しないというのはなかなか難しいことだとは思いますが、検査などによって原因食物と疑われる場合には、医師に相談のうえ試してみる価値はあると思います。
遅延型フードアレルギーを検査してみる
すでに書いているとおり、遅延型フードアレルギーの症状は多岐にわたり、そこには私たちが普段なんとなく感じる体調不良も多数含まれています。また原因となる食品は私たちが日々何気なく摂取しているものが多く、気がつかないうちに長年遅延型アレルギーを発症していたということも十分考えられます。なんとなく調子が悪いといった場合にその原因がすべて遅延型フードアレルギーにあると考えるのはあまりに極端ですが、ひとつの可能性として捉え、病院やキットで一度検査を受けてみるのも悪くないかもしれません。
検査の仕方については、病院でやってもらうかキットを購入して自分でやるかの 2 択になると思います。個人的には病院でやったほうが問診などで遅延型フードアレルギー以外も幅広く診てもらえますし、遅延型フードアレルギーについても相談できるのでより安心かなと思います。ただ、時間が取れない場合や取り扱っている病院が近所にない場合などはキットを購入して自分でやらざるをえないと思いますし、時間をかけずに気軽に現状を把握したいという場合には自分でやっても問題ないのではないでしょうか。
なお遅延型フードアレルギーの検査で一般的なのは IgG 抗体検査です。日本ではアンブロシア社の『IgG96 スタンダード・フード・パネル(日本)』の検査キットがよく使われているようです。アンブロシア社のサイトや Amazon などネットで簡単に購入することができるので、気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか。
↑実は我が家もAmazonで購入(IgG 96 スタンダード・フード・パネル)してトライしました。
また後日こちらのブログでご紹介します。