便利すぎる買取サービス-衣替えでエコを考える

夏も終わり、衣替えの時期ですね。

「天使すぎる」という形容詞(なのか?)が出てきたせいで、「○○すぎる」の使い方がわからなくなってきた今日この頃ですが…

私はカラー診断で秋顔(?)と判定されるくらい秋色が好きなもので、今の時期はひときわテンションがあがります。

洗濯できるかとか汗ジミできないかとか、そんな心配ばかりの夏服探しと違って、純粋にファッションを楽しめる季節。

秋冬物は素材の違いが分かりやすく出てしまうから、できるだけ一つひとつにお金をかけたい…
ということで、軍資金調達とクローゼット整理をするべく、人気の買取サービスを利用してみました。

誰もが知るZ社B社です。(もはやイニシャルにする意味があるのか疑問ですが。)

この2社の比較は数多のブロガーさんたちがされているのでここでは書きませんが…

さすが多くの人が利用しているだけあって、どちらも非の打ちどころがないくらい便利なサービスです。

スマホの簡単な操作だけで、箱を届けてくれるわ、集荷をしてくれるわ、おまけに買取不成立のものはきれいに包装されて返ってくるという…(詳細は割愛しますが、会社によって集荷方法や返品のされ方は違います。)

そして、これらすべてが無料!

便利な世の中だなと思う反面、私はちょっとした罪悪感を味わってしまいました。

数枚の服を査定するために、空箱を宅配業者さんが家に持って来て、さらに受け取りにも家に来て、また返品の時にも家に来る…。いったい何回ピンポンしていただいたのかしら…。

極めつけに、まるで買ったばかりのように美しくたたまれてラッピングされた服。

こちらは1円も払っていないのですから、これら全ての費用を賄うために買取額は安いんですね、と嫌味のひとつも言いたいところです。

私がちょっとした小遣い稼ぎのために利用したサービスのためにどれだけの人や車が動き、CO2やゴミを排出しているのかしら…と。

Amazonヘビーユーザーである私が偉そうに言えることではありませんが、宅配便市場が拡大を続ける(注1:ヤマトホールディングスHP)のも当然ですね。

モノの移動距離で、環境を考えるきっかけを

ほんの数日間に家と宅配会社と工場を行ったり来たりした服たちのことを考えていたら、「フードマイレージ」という概念を思い出しました。

これは食料の輸送重量に輸送距離を掛け合わせたものですが、1990年代から英国で行われている「Food Miles(フードマイルズ)運動」を基にした概念で、「生産地から食卓までの距離が短い食料を食べた方が輸送に伴う環境への負荷が少ないであろう」という仮説を前提として考え出されたものだそうです(注2:農林水産省HP)。

米国や英国といった諸外国に比べても、日本のそれはかなり高水準と言われています。(前述の農林水産省HPを見ると具体的なデータ(Excel)が載っています。)

輸出国家にしてみたらありがたい存在かもしれませんが、世界的にはCO2の問題は喫緊の課題ですからね、もっと国を挙げて取り組んだほうがいいと思うのですが、どうなんでしょう。

農林水産省のHPでは、「CO2の見える化」の取組みの一つとして、「カーボンフットプリント」を紹介していますが、日常生活ではなかなか目にしない印象があります。
(※カーボンフットプリント:ある製品の原材料調達から生産、流通、使用・維持管理、廃棄・リサイクルの全段階で排出された温室効果ガスの排出量を合計し、それをCO2排出量に換算して商品に表示し、農業者や消費者の排出削減意識を高めようとするもの。)

マクロビの流行で「地産地消」の言葉もよく耳にするようになりましたが、輸送距離が短いとそれだけ環境へのリスクも減らせると考えられるため、地域の活性化以外にもプラスの側面があるということですね。

これだけCO2削減が叫ばれる世の中でもフードマイレージの概念がなかなか広まらないのに、今度は古着マイレージの時代到来。。

もちろん、捨てられる運命だった服が他の人にわたるというメリットもあるので、悪いところばかりではないと思いますが、「1シーズン着たら買い取ってもらえば良い」と思う人が増えてくるのではないかと…。

サービスを利用する前に2社を比較するブログをいくつか拝見しましたが、そんなことを仰せの若者(であってほしい)がいたので、少なからずいるのでしょう。

経済効果とか雇用創出という主張もあるかもしれませんが、経済も雇用も、環境が壊れてしまっては意味がないですからね。

特に自然災害が多かった2016年。もう少し環境のことを考えてもいいのではないでしょうか。

「送料無料」は利用者としてはありがたいですが、見ていないところで動き回っている人や車のことを忘れず、CO2排出削減意識は失いたくないものです。もっと言えば、送料無料にするために商品価格で調整されるくらいなら、送料別にした方がいいのかも…?

私もなんだかんだと言い訳をして便利な宅配サービスに頼っていたことを反省し、買いに行けるものは店に足を運んで買おうと思います。

注1 宅配便市場の動向(ヤマトホールディングス)
http://yamato-hd.co.jp/investors/kojin/yamato/index.html

注2 環境保全に向けた食料分野での取組(農林水産省HP)
フードマイレージやカーボンフットプリントの説明はこちらから一部引用しています。
http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h22_h/trend/part1/topics/t3_01.html